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祈りの空間 ・・・・・「軸線」「水」「光」「巡る行為」
「祈りの空間をどう構築するか」、建築の設計テーマはこの一点にしぼられている。
この建築は、広島につづき長崎に投下された原子爆弾による死没者に対し、国が追悼の意を表し永遠の平和を祈念する建築として長崎平和公園内に建設された。
公園の中に建設されるため、緑化環境を優先させたいという意味と、死没者の遺族の「周囲に気持ちを乱されることなくただ静かに祈りたい」という気持ちを大切にする為に、建築は、ほとんどすべてが地下に埋設されている。地上部は静寂性、厳粛性をめざし、高生け垣により、周囲の構築物や車を視界から消し、「水」が静かに流れおちる水盤とした。
この場所と爆心地を結ぶ軸線を拠り所にこの施設はつくられている。
遺族はガラスのメモリアルウォールによって導かれる爆心地へのスリットに向かって祈る。

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