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平成6年、「植村直己冒険館」既存棟は植村直己の生地、兵庫県日高町の穏やかな風景の中に開館した。既存棟の計画において目指されたことは、敷地改変を最小限に止め、可能な限り植村直己の原風景を保存すること。建築を存在されることで、自然環境の美しさを際立たせること。自然に対する畏敬の念をもちながらも、人間の存在、意思の力、尊厳を表現する事であった。
既存棟の開館から9年後の平成15年1月、氏のご家族からの千点以上に上る遺品の寄贈を受け、展示スペースの拡充・団体客利用への充実を目的として新館が増築された。既存棟の概念を引き継ぎ、新館も植村直己の精神を表現するにふさわしい、自然・建築・展示を一体させた環境の全体性を目指し計画された。

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